連綿と続く。
2004年6月21日 アクア=エリアス(?) 友情は、恋よりなお愛に似るという。誰が言ったのだかは知らないが、うまい話だ。
そう思わないか、と話を振られて、日なたに寝そべりうとうとしかけていた蒼河は気怠げに頭を上げた。ふぅん?と気がないふうに鼻を鳴らしながら見てみれば、窓辺に座り込んで本を読んでいた羽水は、今は窓の外をながめている。
「つまり俺とお前にとって、お前と俺の方が夕月や氷呼よりも価値が高いってことだろ」
常々自分など大嫌いだと言い放ってはばからない羽水がそんなことを言い出したものだから、蒼河は興味深げに耳をうごめかした。
なるほど、友情がイコール愛なのであれば、蒼河が羽水に向ける報われることのあまりない愛情――これを羽水はしばしば「甘え」だとか「阿呆」と呼ぶ――も、納得が行こうというものだ。
「まぁ僕に関しては否定しないけど?」
「偶然だな、俺も否定できそうにない」
「うれしいなぁ。で、なんでいきなりそんなこと言い出したのさ」
笑って、のそのそと羽水の方へ寄っていく。彼はめずらしくちょいちょいと蒼河を手招きし、いたずらっぽく窓の外をあごでしめしてみせた。
表では、まだ子ども時代のなごりを色濃くとどめる少年と少女が、今日は暑いからと水まきをしていた。少年の方がうっかり少女の服に水をかけてしまって、ものすごい剣幕で怒られている。その様子が、どうも十何年か前の自分たちを思い出させた。
思わず声を上げて笑うと、となりにぴたりとくっついて同じ光景をながめていた羽水も、くくっと喉を鳴らした。
「血だな」
「うん、血だ」
子どもたちにまで伝わってしまった、この互いに対する思いが、恋ではないことを知っていた。そんなものでは有り得ない。だが、愛なのかと問われれば、そうかもしれないとうなずいただろう。なにしろ友情は、恋よりもなお愛に似ていたから。
そう思わないか、と話を振られて、日なたに寝そべりうとうとしかけていた蒼河は気怠げに頭を上げた。ふぅん?と気がないふうに鼻を鳴らしながら見てみれば、窓辺に座り込んで本を読んでいた羽水は、今は窓の外をながめている。
「つまり俺とお前にとって、お前と俺の方が夕月や氷呼よりも価値が高いってことだろ」
常々自分など大嫌いだと言い放ってはばからない羽水がそんなことを言い出したものだから、蒼河は興味深げに耳をうごめかした。
なるほど、友情がイコール愛なのであれば、蒼河が羽水に向ける報われることのあまりない愛情――これを羽水はしばしば「甘え」だとか「阿呆」と呼ぶ――も、納得が行こうというものだ。
「まぁ僕に関しては否定しないけど?」
「偶然だな、俺も否定できそうにない」
「うれしいなぁ。で、なんでいきなりそんなこと言い出したのさ」
笑って、のそのそと羽水の方へ寄っていく。彼はめずらしくちょいちょいと蒼河を手招きし、いたずらっぽく窓の外をあごでしめしてみせた。
表では、まだ子ども時代のなごりを色濃くとどめる少年と少女が、今日は暑いからと水まきをしていた。少年の方がうっかり少女の服に水をかけてしまって、ものすごい剣幕で怒られている。その様子が、どうも十何年か前の自分たちを思い出させた。
思わず声を上げて笑うと、となりにぴたりとくっついて同じ光景をながめていた羽水も、くくっと喉を鳴らした。
「血だな」
「うん、血だ」
子どもたちにまで伝わってしまった、この互いに対する思いが、恋ではないことを知っていた。そんなものでは有り得ない。だが、愛なのかと問われれば、そうかもしれないとうなずいただろう。なにしろ友情は、恋よりもなお愛に似ていたから。
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