ダージリン、ローズ、アッサム、シナモン、スリランカ、ウバ、ストロベリー、チャイ、アールグレイ。
一体どこから仕入れてくるのだろうと思うほどに、彼女は魔法のように――そうだ、実際魔法を使っていたのかもしれない。なにしろ彼女は魔女だった――いろいろな茶葉を持ち出してきた。家中に広がるどこか異国めいた香りが、彼は好きだった。目の前にあるものが、どこか幸せの象徴のような気がしたからだ。
けして高級ではないけれど使い込まれて愛着のあるカップに、音もなく注がれる深い赤の液体と、焼きたてのプレーンスコーン――そしてもちろん手作りのジャム。煎れる茶葉によってカップに注がれる色も微妙に違うのだと、教えてくれたのは彼女だった。
これが平和だというのなら、一生失いたくはなかった。たとえば我が身に代えてでも、彼女と彼女の煎れるアフタヌーンティーを守らなくてはならないと思った。
だからなのかもしれない。再び戦場にもどったのは。
一体どこから仕入れてくるのだろうと思うほどに、彼女は魔法のように――そうだ、実際魔法を使っていたのかもしれない。なにしろ彼女は魔女だった――いろいろな茶葉を持ち出してきた。家中に広がるどこか異国めいた香りが、彼は好きだった。目の前にあるものが、どこか幸せの象徴のような気がしたからだ。
けして高級ではないけれど使い込まれて愛着のあるカップに、音もなく注がれる深い赤の液体と、焼きたてのプレーンスコーン――そしてもちろん手作りのジャム。煎れる茶葉によってカップに注がれる色も微妙に違うのだと、教えてくれたのは彼女だった。
これが平和だというのなら、一生失いたくはなかった。たとえば我が身に代えてでも、彼女と彼女の煎れるアフタヌーンティーを守らなくてはならないと思った。
だからなのかもしれない。再び戦場にもどったのは。
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