追憶の冷笑。

2003年3月21日
あなたは冷たく微笑んでわたしを突き放し、

別れようと言ったあなたは笑っていました。
春先なのにひどく薄寒い日でした。
わたしは指先の感覚もなく、あなたを抱き寄せることすらできずにいました。
わたしは驚いた顔をしていたのでしょうか。
あなたは、そんなに変な顔をしないで、と言いました。
そしてわたしの贈ったピアスをもぎ取り地面に叩き付けました。
梅の花が咲いていました。
血の匂いと花の匂いが混じって鼻孔に届きました。
どうして、とわたしは言いました。
するとあなたは結婚するのと答えました。
わたしはその理由が理解できずにただ、君を愛していたのにと言いました。
あなたはうなずきました。
知っていたわ、と言い、そしてわたしもあなたを愛していたと言いました。

そして泣きました。
わたしはあのころ、ただの学生でした。

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