例えば夏の太陽のように、などと形容したら、
――ありがとうと微笑むだろうか、それとも、

 明るい空が窓の向こうに広がって、彼は夏の太陽の下で馬鹿みたいに笑っている。
何がそんなに楽しいんだろう、このクソ暑い夏なのに。
それに、馬鹿。
日向に出る時はちゃんと日焼け止めを塗れって言ったのに。
また痛い痛いってわめくんだから。
 手元の本に目を落とす。
さっきまで気にならなかったのに、図書館の中は嫌になるほど暗かった。
 外と中。
たったこれだけなのに、彼と自分は明確に隔てられているようで、そんなことを言ったら彼は、

 馬鹿みたいだと、嘲るだろうか。

コメント