教室になにもないのは、さみしいでしょう?
2002年1月23日朝っぱら、それもまだ部活の生徒くらいしか登校してないような早くに、
高橋は花びんとアジサイを抱えて水道場に立っていた。
「あれ、けんちゃん。おはよう」
高橋は、小学校のときからずっと俺のことをけんちゃん、と呼ぶ。
いいかげんに迷惑だとも言えないあたり、
俺はなんとなく高橋が苦手なのかもしれない。
「……おはよう。おまえ、いつもこんな早いの?」
「うん、わりと。早くしないと、花が枯れちゃうから」
そう言いながら高橋は蛇口をひねり、水道の水を花びんに溜め始めた。
うすい青色のガラス花びんに、盛大な音をたてて水が落ちていく。
その間に、高橋はアジサイを包んでいた新聞紙をはぎとって、
ハサミで茎や葉っぱをてぎわよく整えた。
「なんで二輪しかないわけ?」
教室にカバンをおいてきて、俺はなんとなく聞いてみた。
「恋人同士みたいで、おもしろいでしょ?」
……高橋は、意外なこたえを返してきた。
高橋は花びんとアジサイを抱えて水道場に立っていた。
「あれ、けんちゃん。おはよう」
高橋は、小学校のときからずっと俺のことをけんちゃん、と呼ぶ。
いいかげんに迷惑だとも言えないあたり、
俺はなんとなく高橋が苦手なのかもしれない。
「……おはよう。おまえ、いつもこんな早いの?」
「うん、わりと。早くしないと、花が枯れちゃうから」
そう言いながら高橋は蛇口をひねり、水道の水を花びんに溜め始めた。
うすい青色のガラス花びんに、盛大な音をたてて水が落ちていく。
その間に、高橋はアジサイを包んでいた新聞紙をはぎとって、
ハサミで茎や葉っぱをてぎわよく整えた。
「なんで二輪しかないわけ?」
教室にカバンをおいてきて、俺はなんとなく聞いてみた。
「恋人同士みたいで、おもしろいでしょ?」
……高橋は、意外なこたえを返してきた。
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